豊彦稲荷

北側の高台に、両脇を狐が守る豊彦稲荷の社が鎮座しています。 昇り坂の参道には、朱塗りの鳥居が林立し、周囲の緑とのコントラストが見事です。 手水鉢の石には、沢山の寄進者の名が刻まれています。 昭和のはじめに松坂屋京都店から勧請されたものですが、そのときの三千二百余名にも昇る勧進帳が残されています。 このお稲荷さんのルーツは、京都仙洞御所にあった御所稲荷(豊彦稲荷)であったことが最近判明しております。

毎年桜の頃、初午祭が行われ、多くの人が集い、園遊会茶会が催されます。
なおこの部分については名古屋市の土地ではなく、市に寄贈されたとき一時は宗教色が出るからとの理由で壊される予定もあったのですがこの部分をマンションの所有にして頂いて崩壊の危機を免れ残す事が出来ました。信長塀も緑の中に映える赤い鳥居も北庭園の景観の中で失いたくない貴重なものです。 社にある賽銭箱は天保12年と記されています。


邸内地図

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